上原ひろみ Solo @ Blue Note Tokyo 4/20  

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Source of photo : BLUE NOTE TOKYO


上原ひろみさんのブルーノート公演最終日。
もちろん会場は満員御礼。


感想文を提出いたします。
--
どんな会場でも座る席によって
アーティストの見え方も
音の聞こえ方も大きく変わる。

特にBNTのような小さな空間、
しかもピアノの生音の場合その変化はさらに如実。

全ての要素を叶えてくれる席というのは10にも満たないハズ。

しかしピアニストの手元や表情が見えにくい席に座ったとしても
響版の向きから放射線状の延長戦上にいたのなら何も嘆くことはない。
その名のごとく振動する弦の音を反響させ
迫力のある音を体感する事ができる。

逆に響版による恩恵を受けにくい席に座ったとしても
その席ならではの楽しみ方があるハズ。

という事で聴く場所が良いか悪いかというのは
気の持ちようによって全然変わってくるものなんですよね。


今回は金曜・月曜の4セットの公演を観たのだけれど
4セットともに同じ席で見る事ができた。

見えるピアニストの姿は斜め後ろやや背中寄り。

この席は響板の向く方向には入っていない。

そこでワタクシはヨメ氏にこう説明をした。


uza「ここはアーティストが聴いている音と
     限りなく同じ音を体感できる席なのだよ」


ヨメ氏「ふ〜ん。で、誰の受け売り?


流石である。


はい。開場まで一緒に並んでいた Tさん の受け売りです。


今回はある程度選択肢をもって席を選べたのですが
並んでいる時にドコに座るのか。という話になった時のTさんの発言。
この説明はとてもフレッシュで大変気に入りました。
あまりにも気に入ったので「ブログに書くぜ!」と断りを入れておきました。

ピアニストの背中を見る事になる今回座った席。

アーティストとの身体的な距離の近さという
ミーハー心ももちろんあったのですが
ピアノの音色の弾き分けの違いがわかりやすいと感じていたんです。

ただよく理由が分からなかったんです。
響板が向いていない事で反響音が少ない事と
手元は良く見えますから運指のタッチの違いが視角情報として
認識される事があるのかなぁ。とかボンヤリと思っていました。

そんな風にボンヤリと思っていた所に

「アーティストが聴いている音と限りなく同じ音」

これはボクにとってスゴクフレッシュな発想でした。
前述のような細々とした説明を重ねるより
ストレートにその魅力が伝わりよりリッチな気分になります。

こういう説明はいいですよね。


そういうリッチな席で聴いた今回のライブ。

ソロでの公演ではおなじみになっている曲から
前回のソロ公演で度肝を抜かれた選曲の
「SPIRAL」や「Rhapsody In Blue」
初お披露目(かな?)の「Over The Rainbow」。

おなじみの曲であってももちろん違う景色を見せる楽曲。
「BRAIN TRAINING」途中の内部奏法で
「St Thomas」をガッツリ弾いていたり
細かい事を上げればきりがありません。

ピアノ一つでオーケストラと真っ向勝負の
「Rhapsody In Blue」も前回披露された時の迫力を保ちつつ
遊びのある展開も取り入れられてさらにスケールアップしていました。

これは聴いていない人には「スゴイ」といっても
そのすごさ伝わらないと思いますが
ピアノ一つの「Rhapsody In Blue」で
想像できる範疇を遙かに超えたスケールの演奏。
文章でいくら書いても伝えきれない凄さです。

逆に聴いた人ならしつこくスゴイと書いてしまう
そして「書いても伝わらないだろうな」と思う
ボクの気持ちを理解してくれるハズ。



そしてこの日、個人的にもの凄い体験をしたのは
2nd setの「Ue Wo Muite Aruko」。

演奏の素晴らしさはもちろんなのですが
聴き手であるボクの集中力やお酒の回り具合など
様々な要素があり得ない形でかみ合ったようで
完全に陶酔しきって聴いていました。

激しいインプロビゼーションが入ったとしても
「上を向いて歩こう」ですから普段だったら
何の曲を聴いているのかわからないなんて事はありません。

ただこの日の演奏は上原さんのアイディアで
楽曲が際限なく広がっていく印象だった所に
前述の通り聴き手のボク自身の状態もあり得ない感じだったようで
なんの曲を聴いているとかいうレベルではなく
自分がドコにいて何をしているのかも意識にないレベル。

曲が終わって拍手をしていた(と思う…)時点でも
フワ〜ッとしちゃっていて上原さんがMCをするために
持ったマイクを見て「あっマイクだ」「そうだライブだった」
「しかもまだ始まったばかりだった」と、我に帰る感じ。


さらに追い打ちを掛けたのがその直後の「SPIRAL」。

CDと全く同じ導入部。

もちろんCDと同じ演奏をありがたがっている訳ではないんです。

実際前回のソロライブでも金曜日の演奏でも
導入部から別のアプローチで演奏されていましたし
それも素晴らしかったです。

ただアルバム「SPIRAL」の感想にも書いた記憶がありますが
アルバム「SPIRAL」に収録されている「SPIRAL」の
第一音とそれに連なる数音に上原ひろみさんの凄さが
集約されていると思っています。

この日の導入ではあの「SPIRAL」を初めて聴いたときの
感覚がメキメキと音を立てて自分の中に立ち上る感じでした。

誰にも共感してもらえないかもしれませんが
この日の「Ue Wo Muite Aruko」「SPIRAL」は
とにかくあり得ない程の多幸感に包まれて最高でした。

過去にもこういう感覚を味わった事があると思うのですが
数年ぶりレベルの「我を忘れて音楽を聴いている瞬間」。
「こういう瞬間があるからライブは最高」と書く事がありますが
ソレを超えたこの感覚はそう体験できる事は無い。

何年後でもいいのでもう一度この感覚を味わってみたいものです。

既に次のライブが待ち遠しくなっています。


2015.04.20.
HIROMI UEHARA Solo Piano
@Blue Note TOKYO

[1st]Open5:30pm Start7:00pm
[2nd]Open8:45pm Start9:30pm

1st
1. I've Got Rhythm
2. If...
3. BRAIN TRAINING
4. Desert On The Moon
5. Over The Rainbow
6. Viva! Vegas
     Show City, Show Girl
     Daytime In Las Vegas
     The Gambler
EC. Summer Rain
 
2nd
1. BQE
2. Ue Wo Muite Aruko
3. SPIRAL
4. Old Castle, by the river,
    in the middle of the forest
5. Somewhere
6. Rhapsody In Blue
EC. Seeker



上原ひろみ Live Report Index
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コメント

コーストライターです

危うくゴーストライターになりかけたTです。ようやく仕事が片付いて(無理矢理休んだのが影響した)身の回りがの整理ついて一段落した状態です。ふぅーっ。
あの席でひろみちゃんのピアノを聴いてると、何を演奏したいのかが伝わってきて、ひろみちゃんのイメージしている世界に一緒に入り込んでいく感覚がたまらないです。おかげで2日目の時に「Fire Fly」を聴いたとき時は、その世界に入りすぎて大号泣でした(単なる歳のせい?)。
でもBNTだけがひろみちゃんじゃないです。Fuji Rockでのハードな演奏もすごいんです。ファンじゃない人たちも巻き込んで盛り上げるパワーはハンパないので、インドア派というお気持ちはわかりますが一度は参戦しませんか?
ペキンダックの皮だけ食べたいというのはわかりますけが、やはり庶民としては身を食べないとお腹一杯にならないのです。(説得失敗か?)
まあ、次もどこかの会場でお会いできるのを楽しみにしています。

Tさん
どもどもです。
スケジュール調整が大変だったようですが
全公演完走お疲れさまでした。

また素晴らしい発想をいただき感謝です。
今後自分で思いついたかのように使います。(笑)

野外フェスね。
野外ならではの魅力は代え難いモノがあると思うのですが
やはり経済的にも体力的にもワタクシ無理なんですよ。。。
どこかの会場でお会いした時にフジロックの感想をお聞かせください。
グギギと悔しがりながら拝聴させていただきます。(笑

ではではぁ。

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