HIROMI UEHARA Solo Piano @ COTTON CLUB 4/17 

COTTON CLUB 公演の最終日に行ってきました。

ボクの思い出日記という事で数年後読み返せるように
個人的に思った事などをいろいろ書いておこうと思います。


いきなり全然関係の無い話題です。(笑

みなさん「お花見」されたでしょうか?
ボクはそもそも ひきこもり ですし、友達もいないので
例年シートを広げるような「お花見」などには縁がありません。
ただ近所に400mを越え桜が咲く道があるので
毎年さくらの時期になると散歩したりしています。

その意味でボクは今年もお花見をしました。

震災後に花見の自粛に関して物議がありましたね。
ボクは人に制限を加えるような風潮はキライです。
経済的な縮小は日本の為にならないとも思います。
被災地の酒造メーカーからの動画が話題にもなりました。

しかし個人的には他人のドンチャン騒ぎする姿など
見たくない気分だったのも事実でして
花見の自粛を語った思いに「一定の」理解はできます。

ただボクの個人的な想いとしては

「今年は本当の意味での花見をしようじゃないか」

という呼びかけであったら良かったのに、と思いました。

一斉に花開きあっという間に散ってしまう さくら。
さくら からすれば勝手に咲いて勝手に散っているだけなのに
そこから僕らは何かを感じとってしまう。
それ故に人は集い さくら の下で語らう。

単純に春の訪れの象徴として。
新しい仲間との出会いや旧友との再会。
満開に咲く花に生命力を感じたり
あっという間に散ってしまう姿に儚さを感じたり。

それが本来のお花見なのではないかなぁ。

その意味では「お祭り」も同じ事だと思います。
祭りには人々の願いや祈りが込められている。

そう考えれば今こそ「本当の意味」での
「お花見」や「お祭り」が必要だと思います。

そして「お花見」や「お祭り」を通じて
「本当の意味」について考える事が出来れば
他の事でも自ずと何をすべきか
見えてくるのではないでしょうか?


話は戻ります。

今回急遽決まった上原ひろみさんの日本での公演。

COTTON CLUBでは
震災以降、出演者のキャンセルが相次ぎ
3月、10日間しか営業出来なかったそうだ。
今回はその空きが出来た公演日に上原ひろみさんが
名乗りを上げ今回の公演が決定したとの事。
全公演の出演料は全額寄付される。
 
「いろいろ考えたけど自分にはピアノを弾くことしか
 出来ないので今日はピアノを弾きに来ました。」

と語りスタートした5日間10セット。
ボクは全てに参加することは出来ませんでしたが
「本当にありがとう」という気持ちになりました。

これまでの感想で「また進化している」と書きました。
これは間違いない事だと思います。きっと今後も。

今まで 上原ひろみさん の公演はいろいろ見てきましたが
1度だってガッカリしたことはありません。
ただ回数を重ねるたび、毎回感想を書くにあたって
小さな違いを見つけて書いてきたように思います。

いつだって見るたびに進化した姿を見せてくれたし
その中でも神がかり的なライブに遭遇したり。

ただソロ・アルバム発売以降、ソロピアノでのライブは
それまで以上に驚かされ続けた期間であったのも事実。

何かの記事で読んだのですがJAZZピアニストが
ピアノ・ソロのフルアルバムを作るのは
大御所と呼ばれる様になってからが多く
若い人はあまり作らないのだそうです。

アルバム1枚をソロで持たせるのは
なかなか難しい事である事は
音楽の知識が無くても想像できます。

当然ソロでのライブも。
一人で道を切り開いていかなければ
ならない状況がいかに困難であるか、
また体力的にも非常に厳しい事の想像もできます。

そんな過酷な状況を一音入魂で望みつづけた事で
ピアニストとして急速に進化するのは必然。

今回のCOTTON CLUBの公演。
ボクが見た全公演、ホントに素晴らしくて
ピアノ・ソロでの公演に関しては
しばらく書くことが無いような気がします。
ボクが観る事が出来なかった公演も
きっと素晴らしかったハズです。

もう既に1つの高みを突き抜けてしまっているように思います。



それでも感想書くんですけどね。(笑


感想文を提出いたします。
--
COTTON CLUBの公演。最終日。

この日も本当に素晴らしい公演になりました。
前回「分解と再構築」なんて書き方をしましたが
Haze 以外の曲は全て曲の冒頭に
新しいアイディアが入れられていました。

The Tom and Jerry Show や I've Got Rhythm
などは今までも驚くほど変化し続けていた部分ですし
ソロ公演では他の曲にも見られていたアプローチです。

ただ振り幅が大きくなったなぁと感じました。
何の曲かわからない程変化しているのに
散りばめられている音でキッチリと何の曲か暗示させている。
逆かな?構成音を押さえながら別の曲かと思わせる程の変化?

これはインプロパートにも同じ事を感じました。
「必ず曲に帰着できる自信」とでもいうのでしょうか
「どこまで行っても大丈夫だ。どこまでも行ってやる。」
という感じを受けました。

もちろんひろみさん自身の楽曲として
守るべき部分はキッチリと守られているのだけれど
複数の進行がレイヤー上になっていて
高速で行き来しているようなソロは圧巻でした。

って読み返したらこれはライブ全体の感想ですね。w


最終日の感想を書きます。(アセッ

ちなみにこの日はBQEで拍子木を外し忘れ
演奏を始めてからパコッと。(笑
演奏的には問題なくつながっていたのですが
笑いが起きていました。スミマセン些末な事です。w

MCに関して。
「急な“招集”にこんな沢山集まって頂いて」は笑いました。
が、しかしMC全体として見ると何気に
上原ひろみさんの言葉選びが
非常に慎重で絶妙だと思いました。

各回で多少の言い回しに違いがありましたが
伝えたい想いはキッチリ伝えながらも
「少しでも元気を」という事に矛盾しない言葉選び。

ボクが観た回の中では最終日の2nd set だけ
ちょっと違いがありました。
Choux a la Creme の演奏空け
「楽しいですねぇ あぁ楽しいなぁ…
 心の底から楽しい瞬間を見つけるのが難しい状況ですが
 少しでも元気を持って帰ってもらいたい。」
泣き笑いの表情で語る上原ひろみさんの言葉に
オジサンつい泣いてしまいましたよ。
いま思い出して書いている時点でウルウルしてるし。w

そしてその後に披露された Place To Be。
この日以外(のボクの見た回)ではちょっとリズムを
跳ねた感じにしたやや楽しげな演奏をされていたと思います。
これは「今の想い」やライブの構成を考えての事だと思います。
この曲でこのアレンジはとても大胆で驚きましたが
素晴らしいアレンジだったと思います。

ただ最終日は元のアレンジと同じ情感たっぷりの演奏でした。
会場のあちこちからすすり泣く声が聞こえて来ました。
もちろんオジサン(ボク)も涙ボロボロでした。

元気を出そうってみんなで集まったけど
泣きたい時は泣いたっていいよね。
ってか思いっきり泣こうぜ。
(あっコレ↑はボクの心の声です。w)

あとセットリストもMC同様に「今ココで演奏する事」を
慎重に考えられた絶妙なセットリストだったと思います。
特に特筆したいのは各セットのアンコールです。

1stのアンコール“Lean on me”
前回のエントリーでこの曲には触れましたが
非常に絶妙な選曲だったと思います。
--
  つらい時にはボクを頼ってくれていいんだよ
  いつかボクだって誰かの手をかりたい時が来るから
  だから、今は遠慮無くボクを呼んでくれればいい
--
検索で訳詞を探していて最も好きな訳を見つけたので
訳者の方の許可をいただき前回のエントリー
訳詞全文を転載していますので気になる方はを是非に。

2ndのアンコール“上を向いて歩こう”
この曲の説明の必要は無いと思います。

この曲は震災直後のラジオ出演された時にも演奏されました。
この時いろんな環境があったと思いますが
被災された方の一人でも多くに届いて欲しいと
心から想いながら聴いた記憶があります。

静かに寄り添うように歌い始め
次第に背中を後押しするかのように力強い演奏へ。

各セットのアンコールで披露された
“Lean on me”と“上を向いて歩こう”は
今の時期、この場所に必要な音楽だったし
このライブ全体のメッセージをしっかりと心に届けてくれた。

最終日2nd set全ての演奏が終わり
「ありがとう」の言葉に続きコブシを突き上げ
「ガンバロー」と。そして
「オー」というオーディエンス。

シンプルながらも力強いコールアンドレスポンス。

そして最後の最後。
再度アンコールに応えて
“Green Tea Farm” が披露された。

そして曲間には
「兎 追いし かの山 小鮒 釣りし かの川 ~」
“ふるさと”がフルコーラスで折り込まれた。
この曲にまず皆自分の ふるさと を想いを馳せた事だろう。

そして上原ひろみさんがアメリカから
故郷の静岡を思って書かれた“Green Tea Farm” に
“ふるさと”が折り込まれた事で
みんな「日本」に想いを馳せたのではないだろうか。

“Green Tea Farm” の歌詞
「ありがとう ありがとう 本当にありがとう」

演奏が終わるとひろみさんからもオーディエンスからも
「ありがとう」の声が会場に溢れていた。

今回の全公演を通しての素晴らしい締めくくりだったと思う。


--
このブログでは何度も書いていますが
ライブは人それぞれの楽しみ方があると思う。
他の人の楽しみ方に意見をしたくは無い。

ただあくまでも「個人的に」という前提で

言葉は悪いけれど過去のライブ体験で何度か
「これはただの ドンチャン騒ぎ じゃないか?」
と思う状況を経験した事もあった。

しかし今回の公演はどの回も
非常に良い雰囲気に溢れていた。

みんなが元気をもらい
みんなが今の状況に想いを馳せ
みんなで何かを共有した。

このライブは
「本当の意味でのお祭り」だったと思います。

上原ひろみさんにはもちろんの事
同じ空間を共有した他のお客さんにも
「ありがとう ありがとう 本当にありがとう」

--
関東では既に さくら は散ってしまいました。

しかし私たちは来年も再来年も
また さくら が満開に咲くことを知っています。

そして花の散ってしまった桜の木には
既に青々とした葉が付いています。

非常に当たり前の事です。

それでもやはりボクはそこから
何かを感じとろうとしてしまう。


--
蛇足ですが「いまボクが出来ること」として
参加した全公演で僅かながらではありますが
義援金を送らせて頂きました。
今後も芝居やライブなど「本当の意味でのお祭り」のたびに
いつも以上に日本に想いを馳せ義援金を送る事に決めました。
これは会場に募金箱が設置されなくなっても続けるつもりです。

復興への道のりはとても長く、時間もかかると思います。
粘り強く復興を支え ふるさと 日本を守るために必要なのは
自粛ではなく「本当の意味での」お祭り。
そして可能な限りの日常を謳歌する努力だとボクは思っています。

激烈長い駄文を最後までお付き合いいただいた方ありがとうございました。


2011.04.17.
HIROMI UEHARA Solo Piano
@ COTTON CLUB

Showtimes : 5:00pm & 8:00pm
--
1st
1. Old Castle,by the river,
    in the middle of forest
2. Cape Cod Chips
3. SAKURA SAKURA
4. BQE
5. Haze
6. I've Got Rhythm
EC. Lean on me

--
2nd
1. Desert On The Moon
2. Choux a la Creme
3. Place To Be
4. Deja vu
5. Haze
6. The Tom and Jerry Show
EC1.上を向いて歩こう
EC2.Green Tea Farm
.



上原ひろみ Live Report Index
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コメント

Green Tea Farm !!!
涙涙だったでしょうね~
聴きたかったなぁ。。。
ライブレポ楽しみにしてます。

上記の感想でも書いたのですが
ひろみさんのソロに関しては何も言うことが
ないぐらいの突き抜けた感がありますね。

Green Tea Farm 5日間のライブの
締めくくりとして素晴らしい内容でした。

最終日にかぎらずホントにいい空間が出現したと思います。

uzazoさん

素晴らしい、美しい、文章を
読ませて戴きありがとうございます

神戸から集うことはできなかったけど
上原ひろみファンとして
とても満たされた気持ちになりました

  • [2011/04/19 13:27]
  • URL |
  • Harrison
  • [ 編集 ]
  • TOP ▲

今回のエントリー「も」感動です。
すごくたくさんのものが伝わってきました。

触発されたので思い切って書きますが、
今回のひろみさん、僕は、元気ないなと思ったんです。
入退場の時の表情がそう見えましたし、
演奏中は、いつも通りかそれ以上にパワフルでしたし、
渾身のステージで音楽にも大感動でしたが、
今までの「元気」「楽しい!」とはちょっと違う気がして。

震災によって、誰よりもひろみさん自身が
深く傷付いているのではないか、
そこから回復しようとがんばっている最中なのではないか、
そう感じたんです。
僕の勝手な想像ですけどね。

音楽が、演奏者自身をも癒してくれること、
そして自分の拍手が、ちょっとでも役に立てたら…と願いつつ
会場を後にしました。
(ゴーマンでスミマセン)
なんか、上手く表現できないんですけど。

だから、

>楽しいですねぇ あぁ楽しいなぁ…

ってご本人が仰っていたのを知れて良かったです。

Harrisonさん

長文に付き合って頂いて恐縮です。

今回は突然の事でしたからね。
年末にはまたツアーで 元気が出るピアノ を
全国に届けてくれると思います。

被災された地域が年末どのような状況なのか
ボクには想像も出来ないのですが可能な限り
東北のみなさんの元に上原ひろみさんの音楽が
届いてくれたらなぁ。と。

yasuさん

そうですね。ボクも同じように感じました。
もちろん本当の所はわかりませんが
いつもとは何か違う「想い」があったのは
間違いないと思います。

特に表現者としてステージに立つことについては
ボクなんかにはわからない程の「何か」があるのでは、
と想像してしまいます。

ただ上原ひろみさんの音楽から元気をもらい
そのリアクションが何かを産むのも芸術の力ですから
好転のスパイラルが起こっていけばいいですよね。

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