HIROMI UEHARA Solo Piano -PLACE TO BE- @ Blue Note Tokyo 

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座席位置が前だ後ろだと一喜一憂していたのももはや昔。
チケット運のないボクは観に行きたい公演の
チケットが手に入れば大満足である。

座席の位置や会場にはそれぞれの楽しみ方があると思う。

ホールAのような大きな会場では緊張気味の客席が
ジワジワと熱を帯びて沸騰していく様は感動的だ。

後ろの方の席であっても
自分の集中力とパフォーマンスが合致した瞬間に
視界から周りのお客さんがスーッと見えなくなって
驚くほどステージが近く感じるような瞬間が訪れることがある。

そういった体験の後には
「狐につままれた」ならぬ「ひろみにつままれた」
ような不思議な気分になるのである。

会場事の、座席位置事の楽しみが存在する。


ちょっと話はそれましたが
ブルーノートに参戦してきました。


感想文を提出いたします。
--
ブルーノートでの魅力といえば
やはり会場の小ささが最初に思い浮かぶ。

一番後ろの壁際であってもかなり近く感じるし
キャパシティが少ないことでチケット入手が難しい分
前のめりのお客さんが非常に多い。

始まる前からグツグツと沸騰寸前。
当然最初から一気に盛り上がってく。


1st set。
ブルーノートの自由席。
当たり前だが自分が受け付けした時点で
あいている好きな席を選ぶ事ができる。

1st setは最初から決めていた
「どんなに遠くても上原ひろみさんの手元が見える下手側」
とリクエストし席に案内してもらう。

幸い「どんなに遠くても」という程遠くもなく
前の人に視界を絶対遮られない席。

1曲目終わりのMCで

「少しでも多くピアノを聞いてもらいたいので
 今日はあまり喋りませんが決して
 機嫌が悪いとかいう事ではありませんのでフフッ」

と断りを入れてガンガンと演奏が進んでいく。

PAを通す事無く行われている今回のツアーでは
fffからmmmまでフルに感じ取ることができる。
狭い会場ではなおのこと。

初めてライブを観た時から思っているのだけれど
上原ひろみさんの演奏している時の動きは美しい。
美しく見せるための動きではなく
音楽を奏でる事から生まれる必然の動き。

機能美と言ってしまうと味気ないかな?
でもそういった種類の美しさ。

昔から比べると最近は
動きも激しくなっているような気がする。
それでも上記のような美しさは変わらない。
むしろより魅力的になっている感じがする。

リズムを刻む足音も昔から大きかったが
最近ではリズムキープとは別の
「ガンッ」と踏み込む音は意図的な表現ではないだろうか。
クラスター(肘うち)や内部奏法と同じように
自分が鳴らせる音をフルに使って音楽を作る。

ボクはピアニストの流儀などは知らないが
あるとするならば決してお行儀の良い
スタイルとは言えないだろう。

しかし鳴るものは全て利用して音楽を作るという
どん欲な姿勢はとても上原ひろみさんらしい。

グルーブを作る動き。
音を放つ為の動き。
そして観客と呼吸するような動き。
時にはハードロックのギタリストを思わせる。

激しい動きの全てに無駄な物は一切無い。

そんな美しさを堪能した1st setでした。


--
2nd setもやはり最初から決めていた
「どんなに遠くても上原ひろみさんが
 全く見えなくても反響版の真正面」
とリクエストし席に案内してもらう。

こちらもまた「全く見えない」という事もなく
キチンと反響版の正面でなかなかの良席。

ブルーノートはそもそも反響を考慮した作りでは
無いだろうと最初から決めていたものの
1st setを見た後により強く正面で見たいと思った。

1stの席だってそんなに端の方の席では無かった。
しかし今年の別の会場で見た印象からすればPA無しとはいえ
「この距離でこの音量はありえない」という気がした。

そしてその予測は間違いでは無かった。

音量は1.8倍増し
サステイン2.5倍増し(オレ比較w)

数値に関しては当然いい加減なわけだけれどw
素人のボクが感じ取れる程の多きな違いがあった。

さて演奏の感想。

これは1stも当然共通なんだけれど
今回のソロツアーでは一曲内で
表情がどんどん変わっていくのが印象的。

もちろん今までのバンドでのソロだって素晴らしかった。
しかしステージに一人しかいない状況では
自分で化学変化を起こさなければならない訳で
いくつかの道筋を作っておく安全策だってあるハズ。

しかし毎回違う。全然違う。
もちろん全公演を録音して聞き比べたり出来ない訳だし
個人的な印象でしか無いけれどやっぱり違うんだよなぁ。

激しい曲はもちろんの事
静かな曲だってかなりの集中力が必要なハズ。

そして体力的な心配だって当然出てくる訳で。

実際MCをカットしてまで片方のセットでも
大満足出来る程の曲数を演奏してくれる
ショーマンシップには頭が下がる。

1st・2ndでのインターバルが長いとはいえ
当然1日に演奏する曲数も増える上に
set内での曲間のインターバルは完全に無くなる。

これはボクの印象なんだけれど
2ndの最後はホントに限界なんじゃないかと思った。
キメの部分で指が回っていない部分が結構あったり
苦悶の表情が多かった気がする。

もうアスリートが限界ギリギリの所で闘っている姿を
目の当たりにするような迫力で涙が出てきた。

そんな風に自分が思ってしまったからかもしれないが
アンコールで戻ってきた時のひろみさんの顔色が
青ざめて見えたのはボクだけだろうか?

アンコールで披露された BRAIN TRAINING。
冒頭部分は集中しているというより
最後の力を振り絞るような表情からスタート。
途中ppとffが交互に現れるかわいらしいフレーズの
部分ではいつもの様に笑顔で演奏していたが
それも自分を奮い立たせる様に見えてしまう。

それなのにである。
インプロ全開になると高速フレーズに突っ込んでいく。

コチラとしては
「もういい。やれることはやったじゃないか。」
と白タオル片手に叫んでいるボクサーのセコンドの心境。

それでも矢吹丈よろしく
「おっさん勝手にタオル投げるんじゃねぇ」と
高速フレーズを弾きまくる。
(指が)転んでも転んでも突っ込んでいく。

最終ラウンドまで立ち続けた勝ちをもぎ取った
チャンピオン上原ひろみに盛大な拍手である。


まぁそれもこれもボクの単なる思いこみかもしれないけれど
とにかく「常に全身全霊」であるひろみさんの演奏には
「一音入魂」の言葉通り音に魂が宿りこちらの魂も揺さぶられる。

素晴らしいライブでした。


2009.12.26.
HIROMI UEHARA Solo Piano -PLACE TO BE-
@ Blue Note Tokyo
--
Showtimes
1st Show : Open5:00p.m. Start6:00p.m.
2nd Show : Open8:00p.m. Start8:45p.m.


--1st--
1. Capecod chips
2. Sicilian Blue
3. BQE
4. Somewhere
5. Desert On The Moon
6. Berne Baby Berne
7. Place to be
8. Choux a la creme

EC.THE TOM AND JERRY SHOW

--2nd--
1. I've Got Rhythm
2. GREEN TEA FARM
3. DEJA VU
4. Old Castle, by the river,
    in the middle of the forest
5. Pachelbel's Canon
6. Viva! Vegas
    Show City, Show Girl
    Daytime in Las Vegas
    The Gambler

EC.Brain Training




上原ひろみ Live Report Index
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コメント

26日は聴きにいけませんでしたが
やはり白熱のライブだったようですね。

>とにかく「常に全身全霊」であるひろみさんの演奏

仰る通りで、いつどこで聴いても
魂の叫び!という感じですよね w

そうですよね。
上原ひろみさんのライブはいつも
音に魂が宿っているからこんなにも
夢中にさせられてしまうんですよねぇ。

演奏曲の順番とかが関係しているのか
定かではありませんが26日はホントに
体力の限界に挑戦しているような印象を受けました。

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