上原ひろみ サマーレインの彼方 

booksummer.jpg

上原ひろみ サマーレインの彼方
文:神舘和典 写真:白土恭子

--
上原ひろみさんの事がさらに好きになる
ノンフィクション本。

購入しようかどうかと迷っている人は即購入すべし。w

そう言われても迷ってしまう人はとりあえず
序章(10ページ強)を立ち読みしてみるといい。
この序章を読むだけでこの本がいかに
上原ひろみさんの魅力を伝えているか、
そして著者である神舘和典さんの
愛情溢れるスタンスが十二分に伝わって来るはず。
(もちろん続きは購入して読むべし・w


本編は上原ひろみさんの音楽に対するスタンスから
学生時代・子供の頃の話まで多岐にわたり
非常に興味深い話が凝縮されている。

年表的な時系列に縛られた堅苦しいものではなく
名盤 Spiral のレコーディングスタジオから始まり
数回に渡るインタビューを通して上原ひろみさんの
いろいろな側面を紹介していくというもの。

数々のエピソードを紹介するその文章には
とても臨場感があり読み終わった後には、まるで
「自分もその場に立ち会っていたんじゃないか?」
と思えてくる程。

触れられているエピソードも見事にツボを押さえていて
この一冊を読むだけでかなりの「上原ひろみ通」になれる。w
実際その後に読んだ雑誌などでのインタビューなどでも
「あぁこれはサマーレインの彼方でも言っていたな」と
思うことが多々あった。

ホントに素晴らしい切り口で上原さんを紹介してくれた
神舘和典さんには一ファンとして拍手を送りたい。


また、2nd ALBUM 「BRAIN」に収録されているGreen Tea Farm 。
矢野顕子さんとのコラボ「Jammin' The Piano Session」では
矢野さんのヴォーカル付きで披露されたが、CDには
納められていない歌詞の全文が掲載されているのもウレシイ。


とにかくファンであれば読んで損がない一冊。
ファンでない人もこの本を読んだらファンになってしまいそう。w

また時が経ったら是非、神舘和典さんに続編を書いていただきたい。


上原ひろみ サマーレインの彼方上原ひろみ サマーレインの彼方
(2005/10)
白土 恭子、神舘 和典 他

商品詳細を見る





上原ひろみ / Spiral 

spiral.jpg

第一音。
ここに上原ひろみさんの魅力が集約されている気がします。

漆黒の空間に一滴のしずくが落ちるような緊張感。

ひろみさんは紹介される際には「動」の部分が
強調されることが多いように思います。
もちろん感情がほとばしるような演奏も
彼女の大きな魅力だと思います。

しかしその魅力も確かな「静」に支えられて成り立っている。
そんな事を再認識させられる「第一音」。

是非、環境が許す限りの大音量できいて欲しい。


個人的な思いこみに感想になりますが
このアルバムの持つシルエットの素晴らしさに感動です。

タイトルトラックのSpiralでは超俯瞰からの視線で始まり
T2~T5の「Music for Three-Piece-Orchestra」と
題された4曲からなる組曲からは個の内側に向かう視線に。
一枚の絵画からインスピレーションを受けたという
T6では個からみた外界への視線。
そして素晴らしき日常・Love and Laughter。
と、全編通しての壮大なストーリー。

このアルバムではT1でのロングトーン以外では
ラストまでNord Leadが登場しません。
ピアノでの真っ向勝負といった感じですが納められた楽曲は
時に壮大、時に優しく、時に挑戦的・・・
といろいろな表情を見せてくれます。
ピアノという楽器の表現力の凄さを感じます。

そしてT8ではNord Lead激しく炸裂します。w
しかし全体の曲順構成が見事でNord Leadが炸裂しても
アルバムの持つシルエットが崩されることはありません。

  「3人で演奏する音で、オーケストラのような音楽を作りたい」
  (ライナーノーツより引用)

「Music for Three-Piece-Orchestra」と名づけられた組曲が
ありますが、全編通して、CD全体が壮大なスケール感のある
ホントに素晴らしいアルバムだと思います。

--
ちなみにこのSpiralには「通常盤」以外にDVDが付いている
「初回限定盤」と「ツアー・エディション」が発売されています。
Amazonでは「ツアー・エディション」も在庫切れになっていますが店頭では
まだ見かけるので購入される方はCDショップに行ってみるとよいかと。


スパイラル(通常盤)スパイラル(通常盤)
(2005/12/27)
上原ひろみ

商品詳細を見る


上原ひろみ CD Review Index